成年後見について

判断能力が十分でない方を支える仕組み

「後見」の本来的意味とは、主人の後ろだてとなって補佐すること、能・狂言・歌舞伎・舞踊などで、演技者の後方に控えて、装束の直し、小道具の受け渡し、その他演技の進行の介添えをする者です。

成年後見制度とは、判断能力が不十分になったとしても、財産的な被害や尊厳が失われることがないよう、本人が安心して生活するために支援する仕組みをいいます。

成年後見のイメージ

成年後見制度を必要とする背景

日本は今や世界一の長寿国になっており、近い将来日本の人口の25%以上が65歳以上の高齢者になるといわれています。それに伴い、配偶者とともに子供を育てる時期を過ぎた時期を単に「余生」ということができなくなり、その後も数十年にわたっての人生を過ごすことになります。

このような「余生」とは言えない「第2の人生」を自分らしく豊かに生きたいと願う人を応援する仕組みの一つに「成年後見制度」があるのです。

成年後見制度の理念

  • ノーマライゼーション

    認知症や障害者であるからといって、特別扱いをすることなく、今までと同様の生き方をさせようという考え方

  • 自己決定の尊重

    本人の自己決定権を尊重しようという考え方
    将来の生活に備えようという考え方

  • 現有能力の活用

    判断能力が不十分でも現状の能力を最大限に活用しようという考え方

成年後見制度の種類

  • すでに判断能力が不十分になっている方を支える仕組み

    法定後見制度

    保護の度合いにより、順に「後見類型」、「保佐類型」、「補助類型」の3つがあります。

  • 将来判断能力が不十分になる時に備える仕組み

    任意後見制度

    現在は正常でも、将来たとえば認知症になり、判断能力が不十分になった場合に備えて、あらかじめ契約をしておくことをいいます。

成年後見制度の利用例

  • 現在判断能力に問題はないが、将来認知症が発症したら現在経営しているマンションの管理をお願いしたい。
  • 必要のない高価な買い物を強引に買わされてしまう。
  • 精神疾患が発症、自分の意思で悔いのない人生を送りたい。
  • 同居している寝たきりの母の面倒をみてきたが、母親の財産管理に対して他の兄弟が疑いの目をもっている。
  • 養護施設にいる父の年金などの財産を兄が勝手に持ち出して困っている。

成年後見制度を利用するにあたって

  • 制度についての情報を集めましょう

    市区町村役場、成年後見リーガルサポート、弁護士会、社会福祉協議会が作成したパンフレットや講演会に参加 しましょう。

  • 長所短所を知りましょう

    失敗しないためには、誰にお願いするかをしっかり見極める必要がある。家族、知人、第三者についても、それぞれメリットとデメリットがあることを理解する必要があります。

成年後見人を以下の方にすると、このようなメリット・デメリットがあります。

メリット デメリット
家族 費用もかからず、自分のことを一番よく知っている身近な存在です。 親しいだけに、財産の混同があります。
財産を使えば家族の承継可能な財産は、少なくなるという構造をもちます。
知人 より知り合った間柄であり、ある程度信用できます。 普段見せない別の顔を見せる可能性があります。難しい法的判断はできません。
第三者 (司法書士などの専門家) 人間関係に拘束されずに対応できます。難しい法律判断もできます。 費用がかかります。
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